衣紋の抜き方と衿合わせの関係は、仕立てでコントロールできる。長じゅばん寸法の決め方

同じ長襦袢を使い、衣紋の抜き方を変えて、
「衿合わせと衣紋の関係」を検証しました。

使用した長襦袢は、繰越7分の一般的な仕立ての物。
衿合わせは、同じ角度にします。

衣紋を抜かず、長襦袢の肩山を、
身体の肩山に乗せた着付けをしました。(上の写真)

首横の衿が立ちます。
角度は約143.8度。

衣紋をたくさん抜いた着付けをしました。(上の写真)
今回は分かりやすいように、多めに衣紋を抜いています。

首横の衿が寝ます。
角度にすると、約164度。

衣紋を抜かずに着つけた場合と比べると、
約20度の差があります。

この差はかなり大きな差だと感じていますが、
いかがでしょうか。

左:衣紋を詰めた着付け、右:衣紋をたくさん抜いた着付け

衿合わせの角度は同じでも、
印象は全く違います。

衿を立てたい時は、簡単。
繰越寸法は標準8分のまま、衣紋を詰めて着れば、立ちます。

衿を寝かせたい時は、繰越寸法を小さく仕立て、
着付けで衣紋を抜いて、寝かせます。

左:衣紋を詰めた着付け、右:衣紋をたくさん抜いた着付け

衣紋の抜き具合と、衿合わせの関係は、
繰越寸法を変えることでコントロールできると
、私はしています。

今回の検証から分かることは、
首横の衿の角度は、衣紋を抜くほど、衿は寝る、ということです。

衿合わせを変えた場合、繰越寸法を変えた場合、仕立て方を変えた場合、
さまざまな場合がありますが、別途検証が必要だと思います。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。