半衿がたくさん出るシャープな衿合わせにするためには
どんな仕立て方をしているのか?!
シャープな衿合わせが得意なこげ茶色のお召着物の
「抱巾の印付け」を紹介します。
こげ茶の着物着用画像と着用の感想は、
必ずシャープな衿合わせになる、抱巾を反物巾の脇側で取った着物。
で、紹介しています。
仕立て寸法
下記寸法の中で、衿合わせに関係する寸法は3つ。
前巾・抱巾・衽下りです。
- 身丈 4尺2寸5分
- 裄 1尺8寸
- 袖巾 1尺5分
- 袖丈 1尺4寸
- 袖付け 6寸
- 見八ツ口 4寸
- 前巾 6寸5分
- 後巾 7寸5分
- 抱巾 通し
- 衽巾 4寸
- 合褄巾 3寸7分
- 褄下丈 2尺1寸5分
- 衽下り (肩)6寸
- 肩明き 2寸3分
- 繰越 3分
- 衿付け 5分
【抱巾通し】とは?
抱巾の寸法を、前巾と同寸にする場合
「通し(とおし)」と言います。
反対に、抱巾を前巾よりも狭くする場合
「抱巾を付ける」と言います。
【衽下がり (肩)6寸】とは?
(肩)の意味は、「肩山からの寸法ですよ」と言うこと。
衽下がりの寸法は、肩山から指定されている場合と、肩明きから指定されている場合があります。

シャープな衿を作る印付け
黒色の線は、深い衿合わせが得意な着物
赤色の線は、シャープな衿合わせが得意な着物になります。
こげ茶色のお召着物はシャープな衿合わせなので、赤色の線で仕立てました。
印付け画像②で解説していきます。

右側の矢印2本は、衽付けライン
左側の矢印2本は、剣先を指しています。
「衽付けラインを反物巾のどこ取るのか?」がポイントです。

□で囲ったところに数字が書いてあります。
写真の数字は「23」です。
つまり、赤色の線は、
①反物の耳から2寸3分の位置に衽付けラインを取り
②衽付けラインから、脇側の方へ向かって抱巾の寸法を取った図になります。
この赤色の線で仕立てたのが、こげ茶色のお召着物です。
着用画像は、次の項です。
着用画像


袖付けラインは、逆斜め
着用画像の着物は、肩山と脇線を結ぶ線は「逆斜め」になっています。
下の画像、青色の線です。
肩巾と脇線との差は、1寸2分です。
逆斜めでも、問題なく仕立てられました。

この記事は、2021年1月31日までの限定公開です。