着物の仕立てをお願いするとき、「繰越」の指定はしても
「衿の付込み」の指定までは しない方が多いのではないでしょうか。

そもそも、「衿の付込み」とはどこのことか?!

よくわからないかもしれませんが
「衿の付込み」が変わると、衿の形が変わり、衿の沿いが変わり
着心地にも、着姿にも大きな変化が起こります。

その前に「肩明き」とは?!

「肩明き」をご存知でしょうか?
下の写真の様に、身頃の中心に切り込みが入っています。
この切り込みを「肩明き(かたあき)」と言います。

肩明き①
肩明き①

肩明きは、衿の中に隠れているので
仕立てあがった着物から肩明きをみることはできませんが

衿を開いてみると、下の写真(肩明き②)のように
切り込みを確認することができます。

肩明き②
肩明き②

「肩明き」があることで、
前身頃と後身頃がつながっていても、衿を付けることができます。

衿の付込み とは?! その①

「衿の付込み」とは、背中心での衿付けの縫い代の量を指します。

下の写真で解説します。
肩明き・繰越・衿の付込み・衿付けライン、4つの印が付けています。

写真の中の
①が繰越、②が衿の付込みです。

印付け図
印付け図

肩山から後身頃側へ、繰越分下がったところに、肩明きがあります。
肩明きから、「衿の付込み」という寸法をとって、衿つけラインを決めます。

「衿の付込み」とは?! その②

この写真の場合、肩明きがカーブに切れていて
衿の付込みは、かなり深いことが分かります。

付込み解説①
付込み解説①

この着物の場合は、緑の↕が衿の付込みになります。
目を凝らして見てみると、「3」の文字が見えるかもしれません。
「衿の付込み3分」で印を取っている着物です。

付込み解説②
付込み解説②

「繰越+衿の付込み」で考えないといけない とは?!

同じ繰越寸法でも、衿の付込みの量が違うと、衿の形が変わってしまします。
下に、その比較画像を載せました。

繰越は、同じですが
衿の付込みは、左のグレーの着物が 3分(1cm)
右の黄色の着物は 8分(3㎝)です。

付込みの違いによる衿の変化
付込みの違いによる衿の変化

衿の付込みは、着物を仕立てる人によって変わります。
お願いする呉服屋さんによっても変わります。

「同じ人に仕立ててもらった方が良い」
というのは、こんなことも理由になっています。

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KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。