「衣紋が抜けない」「衣紋が詰まってくる」と悩んだことはあるだろうか。
残念なことに私は、衣紋が抜けない、という経験をしたことが無い。
衣紋が抜けない原因のひつとは、着物の 繰越 寸法にある。
衣紋が抜けないとき、繰越を多くすれば良いのか、減らせば良いのか、
どちらが正解なのか探ることにした。

衣紋が抜けない原因
衣紋が抜けない、または、衣紋が詰まってくる原因は、
「大きすぎる繰越」であると思っている。
繰越3分が小さくて、繰越1寸が大きいという話ではなく、
その人の衣紋の抜き方に対して、繰越の大きい着物が仕立て上がっているのではないかという問題である。
しかし断言するだけの材料がない。
繰越 を小さくする
繰越の最小は、0。
男物と同様に繰越を無くすのが最小となる。
繰越を無くしても、着物は着られるし、衣紋は難なく抜けることは
すでに実証済み。
繰越を小さくするメリットは、
耳下の襟を寝かせることと、女性らしいドレープをより多く出すこと。
繰越0の記事はこちら
繰越が無いと衣紋は抜けないのか?!繰越0の着物を仕立てました。

繰越 を大きくする
繰越の最大は、限りなく大きくできる。
帯を締めた時に襟が邪魔にならない位置まで大きくできる。
しかし、現実的では無い。
標準寸法を目安に考えてみる。
繰越寸法の標準は7分。
多くは、5分〜1寸の間で決めることが多い。
この時の最大値1寸を超える寸法で仕立ててみるのが良いと考えた。
そこで、私にとって大き過ぎると言える
繰越1寸5分、を最大とした。
繰越 1寸5分を仕立てる
繰越1寸5分の着物を仕立てることにした。
1寸を超える繰越で仕立てている人も中にはいることを知っている。
体型や着姿の好みによるところだと推測する。しかし、多数派とは言えない。
この仕立てと着用に期待することは、次の3つ。
①比較的標準体型の私が、繰越1寸5分を着用すると、どんな着姿になるのか。
②繰越0と比較して、どんな違いがあるのか。
③衣紋が抜けない原因は、大きすぎる繰越にあるのか。
今から楽しみで仕方がない。
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