10月に仕立てたこげ茶のお召着物。
実は、身長よりも短い 身丈 で仕立てました。
「身丈は、身長よりも少し短いほうが着やすい」
「身丈は、身長よりも少し長いほうが着やすい」
私は、過去にそれぞれ別の方から上のアドバイスを頂きました。
「ん?いったいどっちが正解なんだ?」
「それぞれの真理はなんだ?」
今回は、本当はどちらのアドバイスが自分に合っているのか
探ってみました。

身丈は、身長よりも短いほうが着やすいわよ。

身丈は、身長よりも長いほうが着やすい!

ん??どっちが正解なの??
仕立て寸法 身丈 の比較
こげ茶のお召着物
- 身丈 4尺2寸5分(160.9㎝:身長-5㎝)
- 繰越 3分
- 衿付け 5分
全ての寸法は、こちら。


このこげ茶色の着物、実は、身長よりも短い身丈で仕立てました。
夏訪問着(青色)
- 身丈 4尺3寸5分(165㎝:身長と同寸)
- 衿の付込み 3分
- 繰越 7分

黄色の夏着物
- 身丈 4尺5寸(170.4㎝:身長+5㎝)
- 衿の付込み 8分
- 繰越 0
全ての寸法は、こちら。

腰紐の位置と 身丈 の関係
腰紐をどこで締めるのか。
- ウエストで締める場合は、身丈が長めに必要
- 腰骨で締める場合は、身丈は短くて良い
比較の必要もないくらい、容易に想像できることかもしれません。
身丈 の限界について
下の写真①は、身丈=身長-5㎝
腰紐位置は、腰骨にかかるぐらい低い位置
おはしょりの量、十分だと思います。

下の写真②は、身丈=身長と同寸
腰紐位置は、ウエスト
おはしょりの量、少し短いと感じました。

腰紐を腰骨で締める場合は、身長-5㎝が限界
腰紐をウエストで締め場合は、身長と同寸が限界
と定義します。
身丈 の許容範囲
身丈 の許容範囲は、身長±5㎝程度
身丈の短い着物・長い着物
どちらもお好みで寸法を決めるのが良いと思いますが
「少し短くしたい」「少し長くしたい」
という、ご要望があるのであれば、身長±5㎝程度をお勧めします。
±5㎝程度とは
尺表記の多い着物の世界ですが
身長±5㎝程度は、鯨尺で考えるとき、±1寸5分としています。
5㎝を鯨尺に換算すると、1寸3分
1寸5分を㎝に換算すると、5.68㎝
鯨尺の場合は、「身丈±1寸5分」が許容範囲
まとめ
身丈の長さは、体型により短くしたり、長くしたりしますが
今回は、腰紐の位置と身丈だけの比較をしました。
「身丈は、身長よりも少し短いほうが着やすい」
この真理は、腰紐を下の方、骨盤あたりで結ぶので
あまり長くないほうが、おはしょりの量が適量になる。
「身丈は、身長よりも少し長いほうが着やすい」
この真理は、腰紐をウエストで結ぶので、
少し長いほうが、おはしょりの量が適量になる。
身丈を決めるとき、
腰紐の位置だけが関係しているわけではありませんが
身丈の寸法を見直そうと考えている方の参考になると嬉しいです。
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