着物寸法 をいくつ知っていますか?
実は着物を仕立てるとき、約20個の寸法が必要です。
ここでは現代の標準寸法とともに 着物寸法 を紹介します。

仕立てに必要な 着物寸法
20個の寸法を下に書き出しました。
- 身丈(みたけ)
- 裄(ゆき)
- 袖巾(そではば)
- 肩巾(かたはば)
- 袖丈(そでたけ)
- 袖口(そでぐち)
- 袖付け(そでつけ)
- 身八ツ口(みやつくち)
- 袖丸(そでまる)
- 前巾(まえはば)
- 後巾(うしろはば)
- 抱巾(だきはば)
- 衽巾(おくみはば)
- 合褄巾(あいづまはば)
- 褄下(つました)
- 繰越(くりこし)
- 衽下がり(おくみさがり)
- 衿の付込み(えりのつけこみ)
- 剣先の縫い込み(けんさきのぬいこみ)
- 肩明き(かたあき)

「図:着物の名称」はSTUDENTS ONLYのページよりダウンロード可能です。
STUDENTS ONLY ダウンロード一覧
着物寸法 の決め方
現在標準と呼ばれている寸法の決め方を紹介します。
- 身丈:身長
- 裄:採寸による
- 袖巾
- 肩巾
- 袖丈:1尺3寸
- 袖口:6寸
- 袖付け:6寸
- 身八ツ口:4寸
- 袖丸:5分
- 前巾:体型による
- 後巾:体型による
- 抱巾:前巾と同寸、もしくは、-3分
- 衽巾:4寸
- 合褄巾:3寸7分、もしくは、衽巾と同寸
- 褄下:身丈の半分
- 繰越:7分
- 衽下がり:肩山から6寸
- 衿付込み:3分
- 剣先縫い込み:2寸
- 肩明き:2寸3分
・寸法は、女物の着物寸法です。
・全て指定が無い場合の寸法です。
・体型により、寸法は変動します。
・長襦袢との兼ね合いは無視します。
注目したい 着物寸法
- 抱巾(だきはば)
- 合褄巾(あいづまはば)
- 衿付込み(えりつけこみ)
- 肩明き(かたあき)
この4つの寸法は、
- 地域性
- 呉服屋さんの方針
- 仕立て屋さんがどこで修業してきたのか
によって変わります。
どのような違いがあるのか、 詳しく見ていきましょう。
抱巾(だきはば)
〇抱き巾をつける場合
基本は、【前巾-3分】です。
注意したいことは、 ここでいう「前巾」は、裾の巾ではなく、
褄下あたりの巾であることです。
裾での巾と褄下あたりでの巾が、同寸ではない場合もあります
〇抱巾を付けない場合
「抱巾通し(とおし)」と言い、裾から剣先まで同じ巾で仕立てます。
合褄巾(あいづまはば)
〇合褄巾を付ける場合
基本は、【衽巾-3分】です。
〇合褄巾をつけない場合
「合褄巾通し(とおし)」と言い、衽巾は、裾から褄下丈まで同寸になります。
衿付込み(えりつけこみ)
大きく別けて、3分の場合と5分の場合があります。
肩明きの切り方によって変わる場合が多いです。
肩明き
直線で切るのか、カーブで切るのか。
カーブで切る場合、どのくらいの丸みで切るのかも、
呉服屋さんによって、仕立て屋さんによって、変わってきます。

まとめ
注目したい4つの寸法は
地域によって、呉服屋さんによって、仕立て屋さんによって、
少しずつ微妙に寸法が違います。
この微妙な違いが、着姿や着心地に影響してくる、
と考えています。
どのような体型の方に、どのような寸法をご提供するのか、
まずは、自分の身体で試し、「着姿と寸法」について
突き詰めていきたいと思います。
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