3丈の反物を一切裁断せずに仕立てる祝着。 八千代掛け を仕立てました。

赤ちゃんが産まれた時、お宮参りに使用する祝着の一種である「 八千代掛け (やちよがけ)」を仕立てました。
この祝着の最大の特徴は反物を一切裁断してい無い点です。一枚の布を着物の形になるよう仕立てています。
表地は3丈の白生地を使い、袖には別布で比翼が付いています。
今回は、私の保管用としての仕立て、反末の文字が入った部分も裁つことなく仕立てました。

八千代掛け

仕立てあがり画像

仕立て仕様

この八千代掛けを、袖に腕を通して着用することはできません。
正面から見た時、着物を掛けているように見せた仕立てになっています。

最大の特徴は、反物が一枚繋がったままの状態であることです。
繋がったままの状態で仕立てることで、その後の活用の巾を広げることができます。

“産まれてきた子どもに1反の真っ白な反物を用意してあげる”
という特別な想いと共にとっておくこともできます。

寸法は、通常のお宮参りに使用される祝着と同じです。
サイズ感は違和感なくご使用いただけます。

使用後の活用方法

お宮参りでご使用いただいた後は反物に戻します。
お好みの色柄に染め、七五三用着物を仕立てたり、もう少し成長した時のお祝として着物を仕立てることも可能です。
3丈の反物を使用していますので、振袖の仕立てはできません。

使用例

白生地を青色に染め、八千代掛けを仕立てました。掛けるとこのような感じになります。
一見すると一般的な祝着と変わらずご使用いただけると思います。使用後は反物に戻し、保管しました。
お宮参りで使用後、5才男児七五三用羽織と着物に仕立て変えました。

この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。