格好良い 羽織 のシルエットと残念な羽織のシルエットを具体的に解説

羽織 はそれだけで完成された衣類だと思っています。着物は衿合わせの角度を自分好みに着方で調整することが可能ですが、羽織は着方で調整できる部分が無いのです。ここでは、私が思う格好良い羽織のシルエットについて具体的に解説したいと思います。

羽織

格好良い 羽織 のシルエット

①衿が地面に向かって真っ直ぐである

羽織

②後身頃は程よく身体に沿っている

背中心が裾で程よく身体に沿っていることに加えて、羽織の裾が裾が地面と並行であると良い。

羽織

残念な 羽織 のシルエット

①衿が開いている

羽織の衿が裾に行くにしたがって外向きに開いている。
最も多く見られる羽織のシルエットだが、“衿は開く物”では無く、仕立てで解決できる部分。

羽織

②背中心が飛び出している

背中心がペンギンのように突き出しているのが分かる。
これは、身体に対して羽織の寸法が全体的に大きい物を着用した時に見られる。

③後身頃の裾に皺がある

前項の「背中心が飛び出している」と逆の現象で、背中心が身体に当たり後身頃の裾に皺が寄っている。
これは、着物の着方に対して羽織の繰越寸法が小さい場合に現れる。

同じ 羽織 でも着方でシルエットは変わる

同じ着物と羽織でも着方によって羽織のシルエットが変わる。

衿のシルエットは綺麗だが、後身頃の裾が飛び出している例

羽織の衿は理想的である。後の裾が飛び上がっている部分は、羽織の繰越寸法が着物の着方に合っていないことが原因。繰越寸法を見直すことで解決できる。

後身頃の裾は理想的だが、衿が広がっている例

裾線が地面と並行になっていて綺麗な着姿だと言えるが、ただ一つ残念なのが衿が広がっている所。羽織の身巾(前巾・後巾)を調整することで解決できる。

まとめ

衿のシルエットも、後身頃の裾のシルエットも、どちらも理想となるような寸法で羽織をしてることこで、スッキリとした羽織を作ることができる。“羽織の衿は広がる物” “羽織のシルエットを良くすることはできない” などと諦めないで欲しいと思い。

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この記事を書いた人

KOTARO

現役和裁技能士が「仕立てと着姿」をテーマに、どんな寸法で、どんな仕立てをすると、どんな着姿になるのか、自分自身の身体で検証しています。