長襦袢の寸法 を決める前には、必ず、どんな形の長襦袢にするのかを決めなければ寸法を決めることができません。今回は、長襦袢の寸法と形の関係を解説していきたいと思います。
長襦袢の形を決めるのが先
長襦袢の寸法を考える前に、まず、どんな形の長襦袢にするのかを決めることが先決。
理由は、形により割り出す寸法が大きく変わるから。
例えば、下の写真①と写真②の長襦袢は竪衿がある物とない物になるが、どちらの形で作るかで長襦袢の前巾は大きく変わる。
長襦袢の形は3種類
長襦袢の形は大きく分けて3種類。
- 竪衿が付いている長襦袢(写真①)
- 衽が付いている長襦袢(写真③)
- 竪衿も衽も付いていない長襦袢(写真②)
もっと細かく分ければ、竪衿巾がいくつなのか、衽巾がいくつなのか、バチ衿なのか広衿なのか、フキは付けるのか付けないのか、など様々ある。
長襦袢の形により変化する寸法
長襦袢の形を決めなければ、長襦袢の寸法を決めることができない。
具体的に、どの寸法が形により変化するのかここで解説したいと思う。
変化する寸法は下の3つ。
- 前巾
- 後巾
- 竪衿下がり
前巾について
前巾は長襦袢の竪衿巾がいくつなのかにより変化する。基本は「長襦袢の前巾=着物の前巾+1寸」だが、上の写真②のように竪衿がない場合は基本よりももっと前巾を広くし、写真③のように竪衿の代わりに衽が付いている場合は着物と同寸としている。
後巾について
後巾は、前巾に連動しれ変化する。前項のように前巾が変化すれば、後巾もそれにともなって変化する。後巾は前巾とある程度差がなければ仕立てることができないが、どんな仕立て方をするのかにより、この差が必要ない場合もある。つまりどの形にするのかを決めなければ具体的な数字が決まらない。
竪衿下がりについて
竪衿下がりは、前巾・後巾・抱巾の寸法により変化する。具体的には竪衿が前身頃のどこについているのかにより変化する。竪衿下がりの寸法を短くすれば、衿合わせをより鈍角にすることができるが、布に無理なく縫い合わせられるのかを確認する必要がある。
まとめ
長襦袢の寸法を決める前に、まずはどの形の長襦袢にするのかを決めなければ寸法の割り出しに進むことができないことがわかったと思う。単純に着物の寸法にプラス・マイナスして割り出すのが常をなっているが、大前提としてどの形の長襦袢を作るのかを決めているから、そのような割り出し方で上手くいくのだと言える。
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